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アートに生きる - TORIHADA取締役のブログ

ブロックチェーンでシェアリングエコノミーはどう変わるか?

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【キャンセル待ち受付中】起業家のためのブロックチェーン・スクール #03 「ブロックチェーン技術で著作権、不動産管理は変容するのか?」 | イベント情報| Startup Hub Tokyo(スタートアップハブトウキョウ)起業のヒントに、出会える場所

東京都主催のブロックチェーン勉強会第二回目

今日はStartup hub Tokyo主催の"ブロックチェーン技術は新たなシェアリングエコノミーを生むか"に参加してきました。

第一回目は満席で行けなかったのですが、今日の二回目と来週の三回目は参加します^^

そして議事録がてらブログです。

興味の有る方は読んで感想を頂けると嬉しいです・・・!

 

講師について

森川夢佑斗さん(AltaApps創業者、Ginco代表取締役、Onokuwa CSO

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引用:森川夢佑斗|Ginco Magazine - 安全に仮想通貨を管理するための情報をとどける

 

シェアリングエコノミーについて

市場規模

シェアリングエコノミーの市場規模は2025年には3,350億ドル(2013年の22倍)に。

ちなみに、Uber時価総額は680億ドル、メルカリは1億ドル超えのユニコーン企業(1,000億円以上の時価総額で未上場)。

シェアリングエコノミー事業者がやってること3つ

  • ユーザー間のマッチング
  • エスクロー取引の実行
  • ユーザーの信用の可視化

エスクロー取引とは?

二者間の取引の成立を第三者が担保し、成立させること。

取引時に問題が起きた場合は、仲介する会社が解決し、取引が成立しなければ払い戻しを行うことでユーザーリスクを下げる。

例) フリマ、EC、銀行

これにより、エンドユーザーは信用できる人を探す工数が無くなり、取引時に不安を感じることも少なくなった。

運営会社の巨大化としわ寄せ

運営会社が利益を追求するあまりに、エンドユーザーが不利益を被ることが発生している。

それでもユーザー数が多いプラットフォームの方が流動性が高くなるなど、ユーザーの依存性が高くなるため、乗り換えられず、悪くいうと搾取されやすい状況になっている。

例) ドライバーの給料値下げ(Uber

シェアリングエコノミーの課題

  1. 国を横断した利用には、まだハードルが・・・。
    ※特に決済方法などが国依存。
  2. 不正利用を防ぐための運営に多大なコストが・・・・

 

ブロックチェーンによる可能性

スマートコントラクト:ある条件に基づいて、P2Pにデータを送信する仕組み

関連) Etherscan:スマートコントラクトの確認ができるWebサービス

例1)  自動販売機:一度置けば自律的に動く

  1. 100円を入れる
  2. 100円で買える缶コーヒーが光る
  3. ボタンを押すと缶コーヒーが買える

例2) スマートコントラクトを利用した取引:一度デプロイすれば自律的に動く

  1. Aが代金をデポジット 
  2. スマートコントラクトのアドレスにデポジット履歴が残る
  3. Bが履歴を確認し、荷物を郵送する
  4. Aが受取確認を行う
  5. 自動的に支払いが実行される

つまり、スマートコントラクトによって、エスクロー取引の部分を仲介者無しに自律的に実現することができる

個人的には、自律的な例えとして出されたのが自動販売機だったことが面白かった。

 

エスクロー部分とトークンエコノミーの組み合わせ

 

ブロックチェーンでシェアリングエコノミーはどう変わるか

※ワークショップ

現状の課題変革の可能性について考えました

考える際に提示されたポイント3つ

  • 仮想通貨はP2Pで送信できる
  • スマートコントラクトの活用
  • オフライン情報の取扱い

以下僕達のチームで行った議論です

オフライン情報をどう得るかが重要

例えば郵送では"受け取ったこと"をどう証明するかが難しい問題です。

僕達のチームでは、行か2つの方法があると話しました。

  1. 情報を取得する:例)Amazon Keyにおける監視カメラ×画像認識
  2. 行動を限定する:例)Amazon Keyにおけるスマートロック
信用の可視化の限界と可能性

例)Uberで事件を起こした人の評価が4.7だった。

☆とコメントでの評価システムやクレカの利用履歴など、1サービスの情報だけでは限界で、複数サービスを横断した個人IDの引き回しが必要になってくると考えられます。

参考)Gaiax社による本人確認情報の共有

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引用:シェアリングエコノミーによる持続可能型の新しい社会の実現(上田祐司)

更に、監視カメラに写った体の動き、検索履歴などの癖も個人ID乗せていくことで改善できるはずです。

例)国会のヤジの音声を取得してID情報として乗せることで、政治家の責任感が増す

ただし、プライバシー等の人権とのすり合わせが必要になる可能性は高いと思います。

忘れられる権利や反省が認められる社会残るのか」というチームメンバーの言葉が印象深かったです。

コミュニティの国化

Bitnationという個人証明や通貨などの国家サービスを代替するプロジェクトがあります。

有名な エストニアの事例 を見ても、今後は生まれた国ではなく、支えたい国・利益を得られる国を選ぶようになるのではないかという話がありました。

gaiax-blockchain.com

講師からのコメント

現在のこの分野の課題

  • 流通等の利便性のおいて、トークン < 法定通貨
  • スマートコントラクトを処理する際の手数料
  • 配送情報などオフラインの情報をどのようにして取り入れるか(=スマートオラクル)
利便性に対して

フリマアプリでもフリマコインなら手数料を下げる、割引になる等の特典やメリットを出すことが重要。

オフライン情報に対して

オフライン情報を取る方法としては以下の2つ、 

  1. 凄く精密に情報を取る
    例)指紋、IOTデバイスで取る動き、画像認識
  2. 人に対するペナルティやインセンティブのコントロール
    例)デポジットゲーム理論

例)天気予報の予測に仮想通貨を賭けられ、当たると仮想通貨がもらえるプロジェクトなど、予測市場の本質はインセンティブによるスマートオラクルの実現。そのプロジェクトは、天気に対する保険を天候に左右されるビジネスのオーナーなどに提供している。

ちなみに、人が介在せずに成立させるためには、どんどんサービスが複雑になる。

C2Cサービスにおいては、逆に誰かを頼ることで、凄くシンプルになることを念頭に入れておくべき。

 

質疑応答

Q. 個人IDの引き回し、オフライン情報の課題は?

A. KYC(Know your customer)はみんながWin-Winになる仕組みであることが重要だが、サービス間のユーザーボリューム差などでなかなか難しいことが多い。リップルが上手かったのは、イニシアチブをどこかの組織・コミュニティではなく、リップルをみんなで担いだという座組が良かったと言われている。

 

最後に

今日は素晴らしいチームメンバーに恵まれて凄く楽しかったので、来週も非常に楽しみです。

シェアリングエコノミー、ブロックチェーントークンエコノミー、価値主義などが好きな方や調べられている方、何か行おうとされている方は、僕も仕込んでいることがあるので、是非情報交換させて下さい!^ ^